関節と筋肉

指の模型

<材料>

 

工作紙、セロテープ、曲がるストロー(細い塩化ビニルチューブでも可)、タコ糸

実験1

<工作>

指の模型は骨を工作用紙で3角柱を作ります。三角柱は指1本につき3個(小・中・大)用意します。

 

三角柱の1面だけ(爪を上にしたときの底面)をセロテープでつなぎ、片方にだけ曲がるようにします。テープでつないだ面が手のひら側です。

爪を付けた1が末節骨(小)、2が中節骨、3が基節骨です。自分の指と見比べてみよう。骨が2つしかない指があるね。そう、親指です。親指には中節骨がありません。人によってはそのほかの指でも骨が2つのことがあります。

 

指の腹側の真ん中より手のひら側にタコ糸を1本テープで張り付けます。末節骨(三角柱1)、中節骨(三角柱2)にそれぞれ1本ずつタコ糸を付けます。つぎに爪側(山の部分)に1本ずつタコ糸を付けます。タコ糸がどこについているかわかりやすいように末節骨のものには1と2、中節骨のものには3と4と呼ぶので小さな目印を付けます。

 

それぞれのタコ糸を引っ張ってみよう。屈筋腱をひっぱると指が手のひらの方に曲がります。伸筋腱をひっぱると指が伸びます。

テープで貼ったところが支点、タコ糸がついているところが力点、指先側が作用点です。

でも指を曲げた時に腱が骨から遠く離れてしまいます。 

 

ストローの蛇腹部分を切り取って三角柱をつなぐ関節(テープ)の上に留めます。これを腱鞘と言うよ。指を曲げるじゃまにならないように蛇腹(ギザギザのところ)を使います。切り取る前にストローを引っ張って少し伸ばしておこう。

指の背(山側)は指を曲げると離れるのでストローをそれぞれの骨(三角柱)に張り付けよう。

腱鞘には大きな力がかかるのでセロテープでしっかり留めよう。

実験2 病気になっちゃった!

10回ぐらい指を曲げたり伸ばしたりしてから、腱鞘(ストロー)を点検しよう。ストローを留めているセロテープがはがれている。指の腹側のけんしょうには下向きの力が強くかかる。剥がれかけると指を曲げる時に腱(ひも)を強く引くことになりさらに剥がれてくるね。

これがばね指という病気のモデルだ!

剥がれにくくするにはストローをセロテープでぐるぐるに骨に巻き付けると良いね。人間の指はばね指にならないように靭帯が腱鞘をぐるぐる巻きにしてるよ。図鑑で確かめよう。

実験3 握りしめたい

指の模型はぎゅっと握り込むことができないね。どうしたら良いかを考えてみてね。図鑑の指の骨の形をよく見て考えてね。答えがわかったら指の模型を改造してみよう。うまく改造できたらきっとそれが正解。どうしても教えてほしい人はメールを送ってね。

実験の説明

関節と筋肉の仕組み

筋肉の両端には腱(けん)があり、腱は骨に固くくっついています。関節面が支点となり、筋肉の腱が次の骨についている部分が力点となって左側の骨を動かします。関節を越えてすぐのところに力点があるので、この図では筋肉が少し縮むと左の骨が大きく動きます。詳しい筋肉収縮のメカニズムはこちらから。

腱は腱鞘で骨に添うように走行します。そう、腱鞘は滑車の役割を果たして力の方向を変える働きをしています。実験では腱鞘の働きをストローやビニール管で再現します。腱鞘がうまく固定されていないときと、固定されているときの指を曲げる際の抵抗の違いに注意してください。

上の図では筋肉に続く腱が短く描いてあります。身体の中心に近い所にある筋肉はどれも腱が短いのですが、指や手など身体から遠い所を動かす筋肉は体の中心に近い所に支点となる短い腱(右側)で固定され、左側の腱は長く伸びて指先につながっています。ボールをつかむときに手のひらを丸くする筋肉は手のひらにありますが、指を曲げる筋肉(屈筋)、伸ばす筋肉(伸筋)は腕にあります。

模型の説明

骨の模型は糸で引っ張って動かすので、少し強度が必要です。四角柱は三角柱より強度が低く、円柱は三角柱より作りにくいので三角柱にします。

より関節の雰囲気を出したい場合は三角柱の頭に小さな鈴などを糸で基節骨に固定し、ワセリンなどをボールに塗ってから指先をボールにかぶせます。関節部分をセロテープで止めることはできなくなるので工作が格段に難しくなります。

タコ糸を骨に張り付ける場所を手のひらに近い所、骨の真ん中、指先に近い所、と変えてみよう。動かすためにタコ糸をどれぐらい引っ張らないといけないかな。動き方はどう変わるかな。

ストローにタコ糸を通したときと、通さないときとで指の動き方は違うかな。タコ糸が動く場所は変わるかな。

ストローの張り付け方を変えてみよう。指先側の骨に貼る、手のひら側の骨に貼る、両方の骨に貼る。動きやすさは変わるかな。

腱が切れると指をうまく動かせなくなるので手術でつなぎなおします。受傷から時間がたつと筋肉が縮んでしまい腱が手のひら側に引き込まれて手術が困難になります。指を深く切った時はなるべく早く受診しましょう。

腱鞘を留めたセロテープを部分的に外したときの曲げやすさの違いを調べてください。根本側(手のひら側)の腱鞘の固定が悪くなった状態がばね指です。