臨床疫学藤田伸輔の個人ホームページにようこそ
臨床疫学とは疾病統計をもとに疾病の予防、管理体制を考える学問です。
ICTやIoTの発達によってさまざまなデータを活用できるようになった今日、臨床疫学は根本から変わろうとしています。私たちは臨床疫学研究のためにSHACHIとSHACHI-Brainを作ったと言っても過言ありません。これらによって異次元のビッグデータを解析して新たな真実を一緒に追求しましょう。
なお、このページは藤田伸輔個人が運営するページです。
2020年11月2日 CSL2050の開催が決定しました。2021年1月9-11日、オンラインで開催します。
2020年5月7日 医療政策入門編・発展編をオンライン授業で提供することになりました。視聴無料です。
2020年4月1日 Covid19の特設ページを設けました。高性能マスクを作りましょう。禁煙しましょう。
2020年3月12日 CSL2050の紹介ビデオが完成しました。
2020年3月3日 COVID-19蔓延防止対策として高齢社会医療政策推進セミナー発展編3月13日開催予定を5月まで延期します。
2020年2月17日 4月1日から3日までCSL2050を開催します。
2019年10月30日 12月26・27日CSLを開催します。
2019年10月29日 11月30日Python勉強会亥鼻第1回を開催します。
2019年10月29日 11月29日Python勉強会西千葉第2回を開催します。
2019年9月11日 Python勉強会西千葉第1回を開催しました。
患者中心の医療情報システムSHACHI
他の情報システムとの連携・情報の匿名化・データ解析フィールドを提供するSHACHI-Brain。
SHACHIとSHACHI-Brainがこれからの医療を変えると言っても過言ではないでしょう。詳しくはこちらから。
1990年以降、わが国の入院医療需要は年間1%ずつ低下しています。このままの状態が続くと、2025年には病床稼働率が60%以下の病院が全国で約1700病院(全体の5分の1)となります。そこを生き残るための方策、住民に迷惑をかけない方法を一緒に考えましょう。詳しくはこちらから。
講義では知識を伝えることではなく、考え方を伝えることを重視しています。さらに考えたことを表現することを重視しています。
ほとんどの私の講義は聴講を受け入れています。ご希望の方はメールでご相談ください。
医療の将来需要を推計することは大変重要です。優良な医療機関が適切な数ないと、国民の健康が危機にさらされます。
医療需要は人々の生活様式と生活環境の変化や、医療の進歩や、医療制度によって大きく変動します。その研究手法と成果について紹介します。
医療のデータは患者さんの訴え(苦痛や不都合)、症状、検査所見、治療行為、治療行為への反応といったデータを扱います。SHACHIではこれらに加えて日々の生活情報を扱うようになります。まさに医療におけるビッグデータ解析の幕開けです。
臨床疫学を研究する際にその基盤となるのは人口学です。人口構成の推移とその原因は社会情勢や疾病と深くかかわっています。
1920年の日本の人口構成をもとに考えてみましょう。
全体的には典型的なピラミッド型です。しかしいくつか凸凹した年齢層があります。例えば0歳は1歳から9歳に比べて突出しています。逆に言えば9歳から1歳までの増え方が異常です。特に7歳から1歳は切り落としたようになっています。これは何が原因でしょうか。出生率が低下したのでしょうか、乳幼児に健康危機があったのでしょうか。
考えられる要因の一つは第一次世界大戦です。1914年から1919年まで続いています。流行性の感染症については報告が見当たりません。
ではその少し上の15歳から18歳はどうでしょうか。
このように人口構成を見ていくことで社会の様子がわかります。なかには疾病や災害に関与するものもありますので、ぜひ考えてみましょう。
統計っていつごろから使われているのでしょうか。
税や賦役を課すために人口の把握は古くから試みられています。でもそこから得られたデータを分析し始めたのはいつ頃なのでしょうか。t検定が誕生したのはWilliam Sealy Gossetが1908年に発表した論文です。
実験ではt検定が最もよく使われています。少ないサンプル数で効率的に違いを検出できるので便利ですよね。ではサンプル数が増えても大丈夫なのでしょうか。
こんな尋ねかたをすると、「きっとサンプル数が増えるとだめなんだろう」って思いますよね。でもご心配なく。ちゃんと計算できますよ。問題は計算にあるのではなく、臨床疫学でのサンプルの集め方にあります。実験と違って条件を揃えることができません。私とあなたを比べようとしたときに、生活状況も、これまでの暮らし方も、そしてもちろん遺伝子も異なります。似たような条件の人を集めようとしてもなかなか厄介です。たくさんの人を連れてくると共通する条件を持つ人も出てきますが、異なる部分も増えてしまいます。前向き研究の前提を守ることが困難なのです。そしてもう一つ厄介なことはサンプル数が増えるとFalse Positiveが増えることです。つまり本当は関係性が無いのに、関係性ありと判断してしまうことが増えるのです。「家を出る時に右足から踏み出すと試合に勝てる」とか、「朝カラスを見たら良いことが起きる」とか、因果関係が無いのにそんな経験が重なって縁起を信じ込んでしまうのと同じようなことが統計でも起こってしまうのです。
このような誤りを防ぐ方法は、論理をしっかり組み立てること、全然違うグループが違う集団から同じ結論に至ることです。こんなことを一緒に考えましょう